「警察としても、わしとしても、何の問題も無いよ」「それでは明日にでも署の方に顔を出しますから」「そうか、その時にゆっくりと話そう、わしも忙しいのでな」 今度は母親に了解を得ないといけない。
「児玉さん、私が娘さんの失踪の原因を、個人的に調べてみたいのですが、宜しいでしょうか」「ええ、それは構いません。こちらからお願いしたいくらいです。宜しくお願い致します」
何から調べるべきだろうか、そう思いながら玄関から外に出た。部屋の中にいると、それまでの自分の行動と母親からの情報が俺の脳細胞を邪魔する気がしたからだ。
このアパートには誰が住んでいるのだろうか。その事を確認するのが先決だろう。そして彼らから、ゆかりさんの手掛かりを聞き出す事が出来れば良いのだ。そう判断して、奥の部屋の表札を見に行った。だが、どの部屋にも表札が出されていない。
誰も住んでいない訳ではない、玄関の横にある窓からは、部屋の中に生活に必要な荷物があるのが見える。次に手前の部屋の表札を確認しに階段の方に向かった。一番階段に近い部屋、つまりゆかりさんの部屋の隣には、野田と書かれた表札が掛かっていた。
「野田……」その表札を見て一人の男の事を思い出した。昔からの友人に、野田一樹と言う男がいた。俺も大学を卒業した後、六ヶ月ほど民間の企業に就職していた時期がある。
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